はじめよう 賃貸事務所生活!
、事務所と呼称する場合がある。
また法律事務所、探偵事務所、デザイン事務所など、プロフェッショナルとして専門家業に従事する者などが
コンサルティングを受託する会社、シンクタンクなどで、規模の小さい企業、機関、
しかも、「機能性・安全性・デザイン」は1体化していなければならないという。
機能性や安全性に少しでも不安のある建物を建ててはいけないし、ましてやデザイソのためだけの建物は失格なのだ。
常日ごろから、建物を建てる際は、デザインを重視すると語っている馬場の言葉だけに、逆に説得力がある。
「若いころは、日本の名建築家といわれる人が設計した建物にあこがれることもありましたが、それぞれのお客さまの要望やニーズに応えていくうちに、平凡ななかにもすぐれた建物があることがわかってきました」 建物の設計をするとき、抽象的なデザインを誇っても意味がない。
それは、建物を美術館に陳列するわけではないからだ。
そこに住む、あるいは仕事をする人のニーズを具体的に実現することこそ、建物を設計するということなのである。
では、オーナーにとって最適な建物を設計するにはどうしたらいいのか。
その答えとして、馬場はマッチ棒とマッチ箱のデザインを例にあげて説明してくれた。
マッチ棒の軸の長さと太さは、火がついている時間と、擦ったときに折れない程度の太さの絶妙なバランスでデザインされている。
長すぎてはコストがかかるし、それでいて、ある程度の強度が求められるから、楊枝のように細くてもいけない。
簡単に発火できるという機能をもち、しかも火傷しないための安全性の高いマッチ、それを可能にするデザインが最適だというのである。
マッチ箱の表面と裏面はインパクトのある広告が印刷できるだけの面積が必要で、箱の厚さは適度に薄いもの、そして軽量であることが望ましい。
マッチ棒とマッチ箱は、こうした条件をすべて兼ね備えた究極のデザインになっているというのだ0 厳しい条件や要望のある対象に、求められる機能を最大限に発揮させ、しかも安全性の高いデザインが、もっともすぐれたデザインなのである。
そうしたすぐれたデザインは、個性的とかアート感覚というよりシンプルな場合が多い。
たとえば、変哲のない四角い窓の場合、それがオーナーの求めている建物に最適であれ 卯は、最高のデザインといえる。
マッチ棒とマッチ箱のように、結果としては、どこにでもあるようなシンプルなデザインに帰結するのである。
あるいは、オーナーの求めに応じて、雨水を流れやすくするためには、屋根の傾斜を強くし、庇をつけるというように、まるで従来からある〝切妻屋根″ のようになってしまった。
つまり、それが屋根の雨水を流れやすくするためのベストのデザインなのである。
ところが、設計士はデザイナーとしての評価を気にして、一人よがりの個性とかオリジナリティを求めてしまいがちだ。
その結果、究極のデザインに至らずに中途半端なものになってしまうことが多いのだ。
オーナーが大きさを限定した四角い窓を要望し、プロの視点からもそれが正しいと判断すれば、その四角い窓を図面に書く。
あとは、この窓の何をデザインするのか。
縁の色や材質、ガラスの種類。
「最終的にむかしながらのマッチのようなデザインになってもいいと思っています。
シンプルにして究極のデザインこそ飽きがこないし、オーナーさんに求められていることなのです。
しかし、マッチのデザインがベストなのに、いろいろな事情によって、シンプルなデザインができないケースも実際にはあります」 たとえば、ある敷地にオフィスビルが変形なデザインで建っていることがある。
それはビルの設計者が悪いかというとそうではなく、実は規制や役所からの指示によるもので'そのためにマッチのようなシンプルなデザインができない場合があるという。
ある敷地にオフィスビルを建設する際'その敷地が区の小さな公園と隣接しているため、設計者は敷地の1角に公共トイレと水飲み場を設置し、オフィスビルとトータルにデザインしたいと考えた。
ところが、役所から癒着を指摘されかねないとストップがかかることがあるという。
官民の共同プロジェクトがもっと増えてもいいのに、役所は危険視してしまうのだ。
ドイツなどでは、オフィスビルを建設する際、そのビルで働いている人や周辺の住民のために、その敷地内に格納庫を設置し、有事に備えて貯水タンクや冷蔵庫、カンパソや缶詰を入れておくという。
そのオフィスビルのオーナーや周辺住民も有事のときには、ここに集まれば食料難を回避できるというので大変喜んでいるという。
ところが、こうした土地の利用法が日本ではむずかしいのである。
日本の行政には、枠を超えた自由な発想を求めたいものだ。
求められる機能を兼ね備えたシンプルなデザインこそがべストであるとはいえ、同社で 卯は安全性の高いビルをつくるために、法で定められた安全基準を上回る配慮をするケースもあるという。
法的な基準はクリアしつつ、上層階では手すりを二本にするといったデザインなど、工期や経費が余計にかかったとしても、安全性を高めるための努力を惜しまない。
機能性と安全性とデザインの関係については、ジャンルは異なるが、自動車のデザインについても同様のことがいえる。
ここでは、特にドイツの自動車メーカーであるBMW社のデザイソ思想について紹介しよう。
「はじめに機能と安全性ありき」というデザインポリシーがBMW社にはある。
クルマの各部分のデザインや、流れるようなラインを形成するスタイリングは、単なる誇張や流行に惑わされてはいけない。
「はじめに機能と安全性ありき」、これがBMW社のデザインワークを進める過程での前提であり、決して机上でのデザイン図面が先行してはならない。
機能と安全性が求めるデザインこそが実際に採用されるのだという。
一九二〇年代、ドイツのワイマールを拠点に産業デザインの分野で脚光を浴びた造形学校「バウハウス」 では、建築家のグロピウス、画家のクレー、カンディンスキーといった天才たちが教授を務めて、後進の育成にあたっていた。
そのなかの一人、建築家、デザイナーのM・スタムは 「形態は機能にしたがうべき」という有名な言葉を残している。
BMW社のデザインは「形態は機能と安全性にしたがう」という考えを基本にしている。
それが、永年にわたって使い込んでも決して飽きのこない様式美を生み出しているのだ。
BMW社は、今後もそのデザイソポリシーを貫いていくことだろう。
ここでいうデザインとは、全体のスタイリソグだけでなく、エソジソルームなどの内部にもおよんでいる。
ボンネットを開けなければ見えないエンジンルームにも、機能と安全性を優先するデザインが施されているのだ。
なぜなら、クルマを愛好するユーザーにとって、ボソネットを開けたときでも美的水準がトータルに保たれていなければならないからだ。
特にBMW社はエンジンのメーカーとして誕生した経緯もあり、エソジソを開発する際、デザインワークにも多くの時間を当てている。
その成果は、すでに一九五四年発表の「502」 に搭載されたV8エソジンにも表れている。
だいぶ以前のクルマだが、ボンネットを開けただけでエンジン下部まで見渡せる構造と、シソプルで幾何学的なエンジンデザインは、カーブが美しい外観の入タイリングに劣っていない。
BMW社のデザインポリシーは一貫している。
クルマのデザインとはエンジンルームも含めてトータルにとらえなければ意味がない、というわけだ。
もちろん、エンジンデザインにも配慮したデザイナーやメーカーははかにもある。
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